スタティックミキサーによる混合状態の可視化:JIS B 8702による測定
配管内を0.5m/sec.で流れる水流中に、蛍光顔料で着色した流体を注入してスタティックミキサーに供給し、スタティックミキサー出口に設置された可視化流路に導入します。可視化流路内で流体が流れる透明アクリル配管に対してレーザーシート光を垂直に照射し、(1)ミキサーを設置しない場合、(2)ケニックス型スタティックミキサー及び(3)MSEスタティックミキサーを設置した場合について管断面の状態を撮影します。 得られた断面画像の静止画に対して統計処理を行い混合性能について5つの指標を算出します。
なお、本測定方法は当社提案により平成27年度 経済産業省「新市場創造型標準化制度」に採択され、2018年8月に「JIS B 8702静的流体混合装置による混合性能測定方法」として制定されました。
可視化流路の詳細
水との相溶性の高いグリセリンを注入した場合
ミキサー無しの場合は、着色したグリセリンによる蛍光領域が明確に観察されますが、スタティックミキサーを設置した場合は両ケースとも蛍光領域は観察されず、混合が進行していることが示されています。
ミキサーなし
ケニックス型スタティックミキサー
水との相溶性の低い1.5wt% CMC水溶液(粘度約1.9 Pa.s)を注入した場合
ミキサー無しでは、グリセリンの場合と同様に蛍光領域が明確に観察されます。一方、スタティックミキサーを設置した場合は、ケニックス型では明瞭な蛍光領域が観察されるのに対し、MSEでは蛍光領域はほとんど観察されず、より混合が進んでいることが示されています。
水に不溶性である食用油を注入した場合
MSEスタティックミキサーで水と食用油を混合しました。油粒子が微細されている様子がわかります。
当該方法は、例えば以下のようなケースを対象としても活用できます。
- 同種スタティックミキサーにおける構成・構造の変更等設計変更による混合性能比較
- 負荷変動に対するスタティックミキサーの混合性能確認
- 同種流体の混合における流体の物性変化による混合度の変化
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